口が大きく開けられない、また口を開けようとするとあごの関節が鳴る、といった症状が起きるのが顎関節症です。軽度なものから治療や手術が必要な症状のあるものまで様々ですが、一生の間に一度は経験する人が多い症状です。実際に治療が必要になるのはごく一部とされていますが、近年の食生活の変化やストレスなどが原因で顎関節症の症状に悩む人は増えてきています。そこで今回は顎関節症とその治療の一つとして使われているマウスピースについて詳しくご紹介します。

顎関節症とは?

両耳の耳たぶの前、すこしへこみのある部分にあるあごの関節が、口を開けるときに痛んだり、口の開閉で音が鳴る、また口を大きく開けることができないといった症状が出る疾患です。肩こりや腰痛のような慢性疾患の一つとして考えられます。症状も様々ですが、その原因も人によって異なり、症状によっては治療や手術が必要になることもあります。

顎関節症の主な症状

顎関節症の症状は様々ですが、口(あご周り)や顔、耳、体全体など場所は様々です。よくある症状としては、口が開けられない、大きく開けることができない、口を開けようとすると関節が鳴る、口を閉じられなくなるといったことが挙げられます。また顔全体が痛む、顔の筋肉が痛い、耳が痛む、目が疲れたり頭痛が起きるということもあります。またあわせて首や肩、背中や腰などに痛みを感じることもあります。

顎関節症の原因

顎関節症の起きる原因も、人によって様々です。頬杖をつく、片方だけの歯で物を噛むといった日常のクセや姿勢、柔らかいものを食べて固いものを食べない食習慣によるもの、また歯のかみ合わせが悪かったり、夜中に歯ぎしりをしていたり緊張で歯を食いしばるなど無意識の行動が原因になっていることもあります。またストレスで歯の食いしばりが起きていることもあり、この場合は食いしばりのクセをなくすだけでなく原因となっているストレスの解消もあわせて必要となります。また顎関節症はスポーツや楽器演奏、発声練習や歌唱といったことも原因になって起きることがあります。

顎関節症の治療法について

顎関節症はその症状によって様々な治療法があります。

1.リハビリによる改善方法

あごの関節を動かすリハビリを行います。病院で医師の指導を受けながらする方法と、医師に最初に指導をしてもらい、後は自分自身で行っていく方法とがあります。ただし症状が悪化してしまうこともあるため、症状が安定している時期に行うのが最適とされています。

2.レーザー治療

顎関節や周辺の筋肉にレーザーを当て、血液やリンパの流れを改善する治療方法です。痛みがある場合などには、レーザーで循環が良くなることで症状が改善されることもあります。定期的に通院して治療を受ける必要があります。

3.マッサージ

顎関節や周辺の筋肉をマッサージして緊張をゆるめる治療方法です。ストレスなどで歯の食いしばりなどが頻繁に起きている場合、緊張をゆるめる必要があります。痛みを軽減すると共に、口を正常に開け閉めできるように導く効果もあります。

4.かみ合わせの治療

かみ合わせが悪いことで顎関節症が起きている場合は、顎関節症の治療と共にかみ合わせを改善する治療を行います。痛みなどがある場合は痛みを先に取り除きます。詰め物やかぶせ物がかみ合わせに影響が出ていることもあるため、治療をすることもあります。

5.マウスピースによる治療

就寝中や日中にマウスピースをはめることで治療を行います。顎関節症の治療でもっとも多く採用されている方法です。顎関節症が起きている原因にあわせて、マウスピースを製作します。症状が改善される・されない場合それぞれにあわせて、定期的に見直しをする必要があります。