歯を閉じていても前歯が常に開いた状態になる、オープンバイトと呼ばれるのが開咬です。小さい頃からの習慣だけでなく、成長過程でも開咬になる原因があり、前歯で物をかみ切ることができない状態です。見た目の問題だけでなく、奥歯に負担がかかり続けてしまうため、将来的に奥歯がなくなってしまうことにつながります。また正常なかみ合わせの状態ではないため、健康な歯にも悪影響を及ぼしてしまう可能性もあります。そこで開咬を治すための方法について詳しくご紹介します。

開咬とは?何が原因でなってしまうの?

開咬は遺伝やあごの未発達のほか、日常の習慣でも起こります。乳幼児期のおしゃぶりの使用、指しゃぶりの長期化のほか、鼻が悪く口呼吸が習慣になっている、頬杖をつく、ペンやハンカチを噛むくせ、舌を歯の間にはさんだり、舌を前に出して、舌で食べ物をちぎるといった行動も原因に含まれます。そのため、幼児だけでなく10代~20代の方でも開咬になってしまうことが少なくありません。

開咬を放置しているとどうなる?

開咬を治さずそのままにしていると、口呼吸による口内の渇き、はっきりとした発音ができなくなるといったことに加え、きちんと物を噛んで飲み込むということができない状態になります。常に不自然な状態でいることにより、奥歯だけでなく健康な他の歯にも影響を及ぼし、かみ合わせが歪んでいってしまう可能性もあります。

開咬を治すための3つの治療法

開咬を治すためには、原因となっているくせを改善するだけでなく、開咬自体を治す必要があります。ただしどの治療法が最適かどうかは、医師の診察に加え、歯のレントゲンなども撮り、総合的に判断する必要があります。

1.歯の矯正を行う

ブラケットと呼ばれる金具を使用し、歯全体の矯正を行うことで開咬を改善する方法があります。矯正器具が見えないよう歯の裏側にブラケットをつける方法もあります。

2.外科的手術を行う

あごなどに骨格的な問題があって開咬になっている場合は、外科的手術をおこなって矯正をおこなうこともあります。口の中の手術なので顔や周辺にメスが入ることはありません。

3.マウスピースを使って矯正を行う

透明なマウスピースを装着し、矯正を行う方法もあります。ブラケットでの矯正は、金属アレルギーの人は使用できない、また人によっては歯の痛みや装着時に口腔内に傷がつくといったことも起こります。マウスピースの場合は矯正後の理想の歯並びを想定し、その歯並びになるよう2週間ごとに新しい型のマウスピースに交換して矯正を進めていく治療法です。そのためマウスピースの使用で起こりやすい雑菌の繁殖や、口腔内の粘膜を痛めるといったリスクを抑えることができるメリットもあります。

マウスピースで矯正をしたい!治療法は選べるの?

開咬は原因が個人個人で違うことに加え、歯の状態も様々です。そのため自分で「この治療法で治したい」と希望を伝えても、その通りに治療ができるとは限りません。特に顎の状態が悪く、手術をしなければならない状態の場合、マウスピースを使っても改善しないことがあります。ただし開咬は放置していると状態が悪化していくだけです。早めに診察を受け、治療を始める必要があります。

マウスピースを使った治療は高額になることもある

マウスピース型の矯正装置は、個人の状態にあわせたカスタムが可能ですが、保険治療が適用されないため費用が高額になってしまう可能性があります。またマウスピースによる治療実績のある歯科を選ぶ必要がありますので、じっくりと相談をした上でマウスピースを使用して治療するかどうかを決断するようにしましょう。