マウスピースの種類の一つに、「ナイトガード」があります。その名前の通り、ナイト=夜に使用するマウスピースです。どういった症状に対して使用するのか、また使用する場合の注意点について詳しくご紹介します。

ナイトガードとは?

ナイトガードとは、就寝時に歯に装着するマウスピースのことです。寝ている間に無意識にしてしまう行動で、歯へかかる力や負担を軽減するために使われます。矯正用のマウスピースと違うのは、上あご部分だけに装着するところです。ナイトガードを使用することによって、歯の食いしばりや歯ぎしりなど歯が組み合わさって起きる症状を改善するのが目的です。また睡眠時無呼吸症候群の治療に使われる「オーラル・アプライアンス」と呼ばれるマウスピースもあります。スリープスプリントとも呼ばれ、上下一体型のマウスピースです。下あごが少し前に出るような状態で固定して、気道を確保するのが目的です。

ナイトガードを装着することによるメリット

マウスピースを装着し、常にマウスピースを噛む状態にすることが目的であるナイトガードですが、使用することで以下のようなメリットがあります。

1.歯がすり減らないようにする

歯ぎしりは、夜中寝ている間に無意識に歯をあわせて力を入れることで起こる症状です。歯と歯をこすりあわせて音を出す歯ぎしりが一般的ですが、歯を強く噛みしめ続けるだけで音を出さない歯ぎしりや、カスタネットのように歯を鳴らす歯ぎしりもあります。歯ぎしりを放置していると、歯が削れてしまったり、顎関節症が起きる原因になってしまいます。さらに、歯ぎしりで顔の筋肉が発達して顔のえらが張り出したりすることもあります。

2.歯や歯茎を痛めて歯周病になることを防ぐ

歯を無意識に食いしばる状態が続くと、歯だけでなく歯を支える歯槽骨にも影響を及ぼします。その結果歯茎が弱ったり歯が動いたりして歯周病が進行する原因になります。

3.顎にかかる負担を軽減する

歯にかかる力が強いと、顎関節にも力が加わってしまいます。その結果顎周辺の筋肉が痛んだり関節がうまく動かなくなり、口が開けにくいといった症状を引き起こします。

ナイトガードを装着するデメリット

ナイトガードを装着するときの違和感に慣れない人もいます。また歯ぎしりが起きる原因がある場合、その原因を解消しなければ根本的な解決にはなりません。あくまでも歯への負担を軽減するためのものとして考えましょう。

ナイトガードを装着する際の注意点

ナイトガードは基本的には夜寝る前に装着し、朝起きたら外すようにします。長く装着したままでいると、歯茎や口の中の粘膜に負担がかかるほか、雑菌が繁殖する原因にもなります。また装着時に痛みや違和感がある、穴が開いたり破損してしまったりした場合には作り直してもらうようにしましょう。

ナイトガードの手入れで注意したいこと

ナイトガードは日中装着するマウスピースと違い、食べ物や飲み物で汚れるということはありません。ただ毎日使用しますのでだんだんと黄ばみが気になったりすることに加え、臭いがするといったことも起きます。人間の口の中には様々な菌が存在していて、普段は問題はありませんが、菌が好む栄養分が残っていたり、住みよい環境があると増加してしまいます。マウスピースを装着している状態は、菌の住処を提供していることでもあるのです。そのため毎日マウスピースは外した後洗ってから保管する必要があります。ただし歯磨き粉には研磨剤が入っているため、逆にマウスピースに傷がついて菌の繁殖を助けることになりますので注意が必要です。市販でマウスピースの洗浄剤が販売されていますので、それを使ってお手入れすることをおすすめします。